語彙・熟語

英検2級 単語の覚え方|単語帳は1冊でいい(覚え方より「忘れ方」)

公開 2026.6.30

「単語帳、何冊やればいい?」

よく聞く問いです。結論から言います。1冊でいいです。

複数の単語帳に手を出した人ほど、試験本番で単語が出てこなかった、という話をよく聞きます。なぜか——それは「覚え方」の問題ではなく、「忘れ方」を知らないからです。

人は必ず忘れます。忘れることは失敗ではなく、脳の仕組みです。大事なのは「忘れたころにもう一度、同じ単語に出会えるか」。そのための道具を1冊決めて、最後まで使い切ること。それだけです。

この記事では、英検2級に必要な単語の量・覚え方の手順・単語帳の選び方・句動詞の押さえ方・復習のタイミングを、一つひとつ具体的に説明します。読み終えたら、今日から始められる手順が整います。

英検2級の単語は何語必要か

「まず量を把握しておきたい」という人のために整理します。

英検2級に必要とされる語彙数は、諸説ありますが目安として5,000語前後(高校卒業程度)とされることが多いです。

ただし、これをそのまま受け取って「5,000語を全部1から覚えなければいけない」と考えると、勉強が終わりません。実態を正直に言います。

中学英語の語彙で、かなりの部分はすでにカバーできています。 英検2級に出る英文は、高校英語の基礎的な語彙を知っていれば読める設計です。問題になるのは「知っていそうで知らない単語」と「句動詞(熟語)」の2つです。

試験の出題を具体的に言うと:

  • リーディング大問1の単語問題:約10問(高校英語の頻出語彙)
  • リーディング大問1の熟語問題:約7問(句動詞が中心
  • 長文・リスニングで出る語彙:文脈で推測できるレベルが多い

つまり「5,000語全部を新しく覚える」よりも、大問1で問われる語・熟語(句動詞)を効率よく押さえる方が、点数に直結します。

英検2級の勉強全体の順番(何から始めるか)は英検2級 独学の勉強法で説明しています。ここでは単語・熟語の覚え方に絞ります。

単語の覚え方:4ステップの手順

「どうやって覚えるか」を、手順で説明します。

ステップ1:発音を先に確認する

単語を見ながら音声を聞く、または発音記号を確認する。黙読だけで覚えようとすると、定着が遅れます。英語は耳で聞いた言葉として記憶に入る方が、リスニングにも読解にも使いやすくなります。

多くの単語帳には音声アプリが付いています。最初から使いましょう。

ステップ2:意味は「メインの1つ」だけ先に固める

単語には複数の意味があることがほとんどです。しかし最初から全部を覚えようとすると、頭に残りません。

まずは「最もよく使われる意味1つ」を完全に覚えること。 試験では文脈があるので、メインの意味を知っていれば対応できる問題がほとんどです。

例:

  • concern → まずは**「心配させる・気がかりにする」**の1つを固める
  • prevent → まずは**「(〜を)防ぐ」**の1つを固める

2つ目の意味は、1つ目が完全に定着してから。

ステップ3:例文の形で、文脈ごと覚える

単語1語だけを覚えるより、短い例文と一緒に覚える方が使いやすくなります。

なぜか——単語帳の例文には「この単語がどんな文の形で使われるか」が入っています。大問1は空所補充問題なので、「どんな状況でその単語が来るか」の感覚が、実際の試験で活きます。

例:

  • encourage + 人 + to do の形で覚えると、空所の直後に to があれば encourage が来やすいと判断できる

全部の単語で例文を丸暗記する必要はありません。「見た瞬間にぼんやり文が浮かぶ」くらいで十分です。

ステップ4:ペースの緩急をつける

100語のうち、すでに知っている語が30語、初めて見る語が70語あるとします。この70語に時間をかけるのが正解です。

知っている語を確認するのは大事ですが、同じ時間をかけていると効率が下がります。「また出た」と感じる語は素早く通り過ぎ、「初めて見た」語に時間を割く。 単語帳をめくりながら、このペースの緩急を意識しましょう。

「1冊でいい」理由:多冊は逆効果

ここが、この記事で一番伝えたいことです。

「何冊もやる」と定着しない理由

1つの単語が本当に頭に残るには、何度も・間隔をあけて出会うことが必要です。1回見ただけでは、数日後にはほぼ忘れています。

複数冊の単語帳を使うとどうなるか——1冊目を50%終えたところで2冊目に移ってしまい、1冊目の単語には二度と出会わない。そういうことが起きます。

これに対して、1冊を繰り返すと——同じ単語に何度も出会います。「またこれか」と感じたら、それは定着しつつある証拠です。

「何周するか」より「間隔」が大事

「5周すれば大丈夫?」という質問を受けますが、周回数よりも大事なことがあります。間隔をあけることです。

1日に同じ単語を5回見ても、翌日にはほぼ覚えていません。それよりも、今日見た単語を3日後にもう一度確認し、1週間後にまた確認し、1ヶ月後に確認する——この間隔をあけた反復の方が、長く定着します。

周回数を詰め込むよりも、1周を時間をかけてゆっくり行い、同じ単語に「忘れたころ」に出会い直す方が実力になります。

これが「覚え方より忘れ方」という意味です。

大問1の落とし穴:熟語(句動詞が中心)を知らないと4割が危ない

英検2級の単語対策で、見落としがちな話をします。

リーディングの大問1は17問あります(2024年リニューアル後)。その内訳はこうなっています:

種類問題数大問1に占める割合
単語問題約10問約6割
熟語問題(句動詞が中心)約7問約4割
文法問題0問(2024年で削除)

英検2級・大問1(17問)の内訳図。単語問題が約10問(約6割)、熟語問題(句動詞が中心)が約7問(約4割)、文法問題は0問(2024年で削除)。熟語問題の中心は put off・run out of・come up with などの句動詞

熟語問題の中心は句動詞です。

put off(延期する)、run out of(〜を使い果たす)、come up with(〜を思いつく)、deal with(〜を処理する)、look forward to(〜を楽しみに待つ)——こうした句動詞が問われます。

putrun はすでに知っている単語でも、「put off = 延期する」「run out of = 使い果たす」は別の意味として押さえる必要があります。 単語の意味だけを覚えていると、この約7問に歯が立ちません。

多くの単語帳は「頻出の単語」が中心で、句動詞のページは限られています。そのため、句動詞は単語帳と並行して、句動詞に特化したリストで覚えることをおすすめします。

詳しい句動詞リストと覚え方は英検2級 句動詞・熟語の効率的な覚え方を参照してください。

おすすめの単語帳(選び方の基準)

「どの単語帳を使えばいいか」の答えは、**書店で中を開いて「見やすいと思った1冊」**です。最後まで使い切れることの方が大切なので、あなた自身が「続けられそう」と思った本を選んでください。

選び方の3つの基準

  1. 音声が付いているか——音声なしの本は選ばない(発音確認ができないため)
  2. 句動詞・熟語のページがあるか——なければ別途フォローが必要になる
  3. 1日の範囲が明確か——「今日どこまでやる」が決めやすい設計か

定番の2冊(参考)

英検2級 でる順パス単(旺文社)

  • 英検に特化した頻出順の語彙が収録されている
  • 音声アプリと組み合わせて使うのが一般的
  • 単語だけでなく熟語のページもある

英検2級 文で覚える単熟語(旺文社)

  • 英文の中で単語・熟語を覚える構成
  • 読解・リスニングの練習も兼ねられる
  • 例文の形で覚えたい人に向いている

どちらも定評がありますが、「2冊やるより1冊を最後まで」という方針は変わりません。

アプリと紙の単語帳の使い分けは英検2級 アプリ おすすめ(正直比較)も参考にしてください。

「忘れ方」を制する:復習のタイミング

覚えてもすぐ忘れる——これは努力不足ではなく、人の記憶の性質です。それを前提に復習を設計すると、勉強が変わります。

人は一度見た情報を、時間とともに忘れていきます。しかし同じ情報に後でもう一度出会うと、そのたびに少しずつ頭に残る時間が伸びます。

効果的な復習のタイミングの目安:

タイミングやること
覚えた当日最後に1度、今日やった範囲を通しで確認する
翌日ざっと見直す(5〜10分でOK)
3〜4日後「覚えているか」を確かめる(テスト形式でもいい)
1週間後また確認する
1ヶ月後仕上げの確認

英検2級・単語の復習タイミングの図。覚えた当日に通し確認→翌日にざっと見直し→3〜4日後に確認→1週間後→1ヶ月後と、間隔をあけて同じ単語に繰り返し出会うことで長期記憶に変わる

このように、間隔をあけながら繰り返し出会うことで、単語は長期の記憶に変わります。

忘れた単語は、単語帳のページにチェックマークをつける程度で十分。次に通るときにそこで時間をかければいいです。ノートに書き出すより、単語帳を再確認する方が、同じ時間で多くの単語に出会えます。

よくある失敗:これをやると定着しない

NG1:意味を何度も書く

「単語を10回ずつノートに書く」は時間がかかるわりに効果が薄いです。試験では「読んで意味が出てくる」ことが必要なので、書く練習よりも「声に出して読む」「音声を聞く」方が的確です。

NG2:1日に大量にやろうとする

1日に300語を一気に見ても、翌日には大半を忘れます。1日50〜100語のペースで、毎日続ける方が結果が出ます。 試験3ヶ月前から始めれば、十分な余裕があります。

NG3:読解を「単語を全部覚えてから」と考える

単語を完全に覚え終わってから読解に進もうとすると、いつまでも読解が始まりません。単語と読解は同時進行でかまいません。知らない単語が出てきたら単語帳を引き、そこで覚え直す——この循環が一番効率がいいです。

NG4:「1周したら終わり」にする

1周しても、最初の方に覚えた単語はすでに忘れている可能性があります。試験本番まで定期的に単語帳を回すことが必要です。「終わった」ではなく「何周でも続ける」が正しい使い方です。

まとめ:今日からやること

  1. 単語帳は1冊だけを選ぶ(見やすい定番本でOK)
  2. 発音を確認しながら覚える(音声アプリを使う)
  3. 意味はメインの1つを先に固める
  4. 例文の形で、文脈ごと覚える
  5. 間隔をあけて同じ単語に繰り返し出会う(今日→翌日→3日後→1週間後→1ヶ月後)
  6. 句動詞(熟語)を別に押さえる(大問1の約4割)

「単語をたくさん覚えること」が目標ではありません。「試験当日に必要な単語が出てくること」が目標です。 1冊を、忘れたころに何度も確認しながら使い切る——それが最短の道です。

よくある質問

Q英検2級の単語は何語必要ですか?
A諸説ありますが、目安として5,000語前後(高校卒業程度)とされることが多いです。ただし中学英語の語彙でかなりの部分はカバーできます。試験で直接問われる語は大問1の17問(単語約10問+熟語約7問)に集中しているので、まずその範囲を効率よく押さえるのが先決です。
Q単語帳1冊だけで合格できますか?
Aできます。条件は2つ——1冊を最後まで使い切ること、かつ句動詞(熟語)を別途押さえること。この2つが揃えば、語彙の面では一次試験の合格ラインに届きます。
Qアプリだけで単語を覚えられますか?
A単語学習に限れば、アプリだけで十分です。アプリは「忘れたころに自動でもう一度出てくる」設計のものが多く、紙の単語帳より復習のタイミングを管理しやすい利点があります。ただし一次試験はライティング・リスニング・読解の対策も必要です。
Qいつから単語を始めればいいですか?
A試験2〜3ヶ月前から始めると余裕を持って仕上げられます。1日50語ペースで進めると、知っている単語は速く通り過ぎるので、実質的に「新しく覚える部分」を2〜3ヶ月で処理できます。直前の一気覚えは定着しません。始めたら毎日少しずつが鉄則です。
Q共通テストの単語と英検2級は同じですか?
A重なる部分は多いですが、英検2級は共通テストより句動詞(熟語)の比重が高い傾向があります。共通テスト対策をしていた人でも、英検2級の句動詞・熟語を意識的に補強するのがおすすめです。
Q時間がなくて1冊終わらない場合は?
A均等にやる必要はありません。「でる順A」「頻出度★★★」と表記された最重要語から先に覚え、時間があれば後半に進みます。単語帳の最初の部分は頻出度が高いので、まずそこを固めるだけでも効果があります。