リスニング

英検2級 リスニングのコツと勉強法|放送1回で取りきる「先読み×シャドーイング」の使い方

公開 2026.6.2 ・ 更新 2026.6.12

英検2級のリスニング、点が伸び悩んでいませんか?

「毎日聞き流しているのに全然上がらない」「1回しか流れないから、少し聞き取れなかっただけで終わってしまう」——この悩みを抱えている人はあなただけではありません。

この記事を読み終えたら、なぜ聞き流しだけでは伸びないのか放送が1回でも取りきれる「先読み」の使い方シャドーイングの具体的なやり方が分かり、今日から練習の方向を変えられます。


英検2級リスニングの基本構成(まずここから)

まず問題の形を正確に押さえます。ここが曖昧なまま勉強を始めると、的外れな練習になります。

パート形式問題数内容
第1部会話の内容一致15問男女2人の会話(2往復)+質問1問
第2部説明文の内容一致15問1人のモノローグ(50〜70語程度)+質問1問
合計30問約25分

1問あたりに使える時間は、放送が終わってから約10秒。メモを取ることは公式に認められています。

リスニングの「配点の重さ」

3技能それぞれのCSEスコア満点は同じ650点です。1問あたりの価値はリーディング約4.7点、リスニング約4.5点で、ほぼ同等です。

ライティング(1点≒14点)ほど極端な差はありませんが、**リスニングは30問もあるので、ここで取れる・取れないはスコア全体に大きく響きます。**合格ライン(1,520点)を目指すなら、リスニングで60〜70%(18〜21問正解)を安定させるのが現実的な目標です。


2級は「放送1回だけ」——これが最大の壁

英検2級の最大の特徴は、全問とも放送が1回しかないことです。

「3級は2回読まれた」という経験がある人には大きな壁に感じるかもしれません。ここで正確な事実を整理しておきます。

第1部第2部第3部
3級1回2回2回
準2級1回1回1回
2級1回1回

旺文社の英語の友による確認で、準2級と2級はすべての問題が1回読みです。2回読まれるのは3級の第2部・第3部まで。

「2回読まれるはず」という思い込みで本番に臨むと、1回目に集中しきれずに終わります。「1回で取りきる」ことを前提にした練習が、2級から必要になります。


なぜ聞き流しだけでは伸びないのか

「毎日通学中に英語を流しているけど点が伸びない」という声はよく聞きます。原因は明確です。

「分かる速さ」と「聞こえる速さ」が一致していないから

英検2級のリスニングの読み上げ速度は、目安として約140語/分程度です。この速さで英語を処理できるかどうかが、得点の分かれ目です。

聞き流しは「音が耳に入る」練習になります。でも「音が耳に入る」と「意味を瞬時に理解できる」は別物です。意味理解が追いつかないまま、音だけ流れていきます。

点を伸ばすには「音を意味に変換する速さ」を鍛える必要があります。 そのために有効なのがシャドーイング(後述)です。

「1回聞いてどこが分からなかったか」が分からないから

聞き流しでは「なんとなく分かった気がする」で終わってしまいます。どこで躓いたか・何の単語が聞き取れなかったかの確認ができません。

伸ばすには、スクリプトを見ながら「なぜここが聞き取れなかったのか」を確認する作業が不可欠です。


最重要テクニック:先読みの使い方

「先読み」とは、放送が始まる前に選択肢をざっと読んでおき、「何を聞けばいいか」を事前に決めておくことです。

準備なしで聞き始めると、「全部拾おう」という意識が働いて、かえって肝心な箇所を逃します。先読みで「何を聞けばいいか」を1つに絞ることで、その箇所に集中できます。

先読みで何を読むか

選択肢に目を通して、「何が問われそうか」を予想します。

たとえば、選択肢4つがすべて「動詞+場所」の組み合わせになっていれば、「どこへ行くか/どこで何をするか」という行動・場所の問題だと予想できます。

選択肢の形を見るだけで、聞き取るべきポイントが見えてきます。

先読みの時間と手順

実際の試験では、前の問題の放送が終わってから次の問題が始まるまでの数秒と、解答に使う10秒間が先読みの時間です。

  • 放送が終わったらすぐ次の選択肢に目を移す
  • 「全文を読む」のではなく、キーワードだけを目で追う
  • 「どんな質問が来そうか」を1〜2秒で予想する

最初は難しく感じますが、問題の型に慣れると自然にできるようになります。

先読みの実例(第1部・会話の場合)

たとえば選択肢がこうなっていたとします(オリジナル例)。

(1) Go to the library.
(2) Call her sister.
(3) Buy a new bag.
(4) Return a book.

これを見た瞬間に「行動(何をするか)を聞かれる問題だ」と分かります。だから会話を聞くときに「どちらの人が、何をするか」という点に集中できます。会話の最初から最後まで全部を均等に聞こうとする必要がなくなります。


第1部と第2部で「狙うポイント」が違う

第1部(会話)と第2部(説明文)は出てくる英語の性質が違います。それぞれの型を知っておくと、先読みの精度が上がります。

第1部(会話・15問)——「最後の発言」が答えになりやすい

第1部は男女2人の短い会話(2往復程度)です。

会話のよく出る設問パターンはこうです。

  • 次に何をするか(What will 〜 do next?)
  • なぜそうなったか(Why 〜?)
  • 何を提案・依頼しているか(What does 〜 suggest / want 〜 to do?)

特に「次に何をするか」という設問は、会話の最後の発言に答えが出てくることが多いです。これを知っているだけで、最後の一言への集中度が上がります。

場面は「家庭・友人・職場・店員と客・学校」が中心。日常の用件を処理する会話が基本です。雑談ではなく「何かの目的のある会話」が出ます。

第2部(説明文・15問)——「数字・名前・変化」が答えになりやすい

第2部は1人のモノローグです。3つの型があります。

出現割合の目安特徴
人物の短い物語約半数(7〜8問)ある人物の状況→出来事→結果の時系列
アナウンス(駅・空港・店内など)4〜6問数字(時刻・料金・番号)が必ず出る
科学・自然・歴史の豆知識1〜3問「〜は実は…だった」という意外な事実

半数以上は「人物の物語」型です。 登場人物の名前・職業・何が起きたか・どうなったかという4点を追いかければ、設問のほとんどに答えられます。

アナウンス型は数字が命です。時刻・プラットフォーム番号・料金・所要時間などの数字が答えになります。放送が始まったらすぐにメモを取る準備をしてください。

英検2級リスニングの第1部と第2部の狙いどころの図解。第1部=会話15問は最後の発言に答えが出やすい。第2部=説明文15問は数字・名前・変化を追う(半数以上は人物の物語型)


シャドーイングの正しいやり方

「シャドーイング」とは、音声に少し遅れて、声に出してついていく練習です。「影(シャドー)のように追いかける」イメージです。

これが有効な理由は、「音を口で出す」という動作を加えることで、音と意味を同時処理する速さが鍛えられるからです。聞き流しは耳だけを使いますが、シャドーイングは耳・口・脳を同時に動かします。

シャドーイングの3ステップ

ステップ1:スクリプトを見ながら、まず内容を確認する

音声を聞く前に、スクリプト(英文)を読んで内容を理解しておきます。「何が起きているか」を把握してから練習を始めると、意味を追いながら音を出す感覚がつかみやすくなります。

ステップ2:ゆっくりめの速度で、スクリプトを見ながら声に出す

スクリプトを目で追いながら、音声に合わせて声を出します。「正確に音をまねる」「リズムをまねる」を意識してください。最初は遅い速度設定から始めても構いません。

ステップ3:スクリプトなしで、音声だけを聞きながら声に出す

内容と音に慣れたら、スクリプトを閉じて同じことをします。これが本番に近い状態の練習です。

シャドーイングの3ステップの図解。ステップ1=スクリプトを読んで内容を確認、ステップ2=スクリプトを見ながら声に出す(最初はゆっくり速度でOK)、ステップ3=スクリプトなしで声に出す。1回10〜15分、長くやるより毎日やる

英ピタのリスニング教材は、3段階の速度(ゆっくり→本番速度)で音声を切り替えられます。慣れるまでゆっくり速度で練習し、本番速度に上げていくことができます。

1回の練習に使う時間の目安

シャドーイングは「長くやること」より「毎日やること」が重要です。

  • 1回の練習:1〜2本のスクリプトで10〜15分
  • 理想の頻度:毎日(試験1ヶ月前から始めると間に合います)

「1時間ガッツリやってそのあと1週間ゼロ」より、「毎日10分をコンスタントに」のほうが、音処理速度の向上には効果的です。


メモの取り方(第2部対策)

第2部(説明文)は情報量が多いため、聞きながらキーワードをメモする習慣をつけると安定します。

メモに書くもの

  • 人物の名前・職業(例:Lisa / teacher)
  • 数字(時刻・料金・年・個数)
  • 変化・出来事を表す動詞(例:started / decided / found out)
  • 逆接のあとの内容(however / but / unfortunately のあとは答えになりやすい)

メモに書かなくていいもの

細かい形容詞・副詞・補足説明は書かなくて大丈夫です。メモを取るために聞き逃すのでは本末転倒です。「主語・動詞・数字」の3点だけで十分です。


よくある4つのNG練習

リスニングの勉強で、やってしまいがちなNG練習を整理します。

NG1:聞き流しだけ

すでに説明しましたが、最もよくあるミスです。「音が耳に入る」練習にはなっても、「意味を瞬時に理解する」練習にはなりません。スクリプトを使った確認作業が必要です。

NG2:分からなかった箇所を放置する

「なんとなく分かった」で次に進んでしまうと、同じタイプの問題でいつまでも躓きます。放送を聞いたあとはスクリプトを開いて、「なぜここが聞き取れなかったのか」の原因を必ず確認してください。

よくある原因は3つです。

  • 単語を知らなかった(=語彙の問題)
  • 音がつながって別の音に聞こえた(=音変化の問題。例:“want to”→“wanna”)
  • 速すぎて処理が追いつかなかった(=速度の問題。シャドーイングで改善)

NG3:先読みの練習をしない

「本番でやれば大丈夫」と思って練習問題では先読みをしない人がいます。先読みは慣れが必要なスキルです。練習から必ず組み込んでください。

NG4:第1部と第2部を同じやり方で練習する

第1部(会話)と第2部(説明文)は出てくる英語の型が違います。第1部は「最後の発言」、第2部は「人物・数字・変化」という重点が違うことを意識して練習してください。


実例:先読みからシャドーイングまでの1問の流れ

具体的なイメージをつかむために、1問を例に流れを示します(例文はすべてオリジナルです)。

第1部の例(会話)

先読みで選択肢を確認

(1) Go to the sports center.
(2) Help her mother at home.
(3) Study for tomorrow's test.
(4) Watch a movie with Tom.

「どこへ行くか・何をするか」を聞く問題だと予想できます。

会話の放送(オリジナル例文)

Mike: Hey, Sarah. Are you free this afternoon?
Sarah: I was planning to go to the library, but my mom asked me to help with dinner.
Mike: Oh, so you can't make it to Tom's?
Sarah: Right. Tell him I'm sorry.

先読みで「行動」を頭に入れて聞いているので、「Sarah は家で夕食の準備を手伝う」という情報がすんなり入ります。答えは(2)です。

シャドーイングの練習

放送後にスクリプトを確認し、上の会話を音声に合わせて声に出します。特に “I was planning to go to the library, but” のように前半と後半が逆接になっている文は、シャドーイングで音として覚えておくと、本番でも自然に聞き取れるようになります。


練習の積み上げ方:段階的な目安

はじめの2週間:スクリプトを「見ながら」理解する

最初から「聞いて分かる」を目指さなくて大丈夫です。まずスクリプトを読んで内容を理解し、その状態で音声を聞く。「音と意味をつなぐ」作業をゆっくりやってください。

3〜4週目:先読みを取り入れる

問題を解くとき、必ず選択肢を先に見てから音声を流す習慣をつけます。慌てないよう、最初は問題を一時停止して先読みの時間を作っても構いません。

5週目以降:シャドーイングを毎日の習慣に

1日1〜2本のスクリプトでシャドーイングを続けます。ゆっくり速度から始めて、慣れたら本番速度に上げます。「どのくらいで声が追いつくか」を自分で確認してください。

試験2〜3週間前:本番形式で通し練習

タイマーを使い、実際の試験と同じ条件(1回再生・10秒の解答時間)で30問通して解きます。ここで「先読みの速さ」と「メモの習慣」が本番で機能するか確認します。


まとめ:リスニングが伸びる3つの習慣

  1. 先読みを毎回必ずやる — 放送前に選択肢のキーワードを見て「何を聞くか」を1つに絞る。第1部は「最後の発言」、第2部は「人物・数字・変化」に集中する
  2. スクリプトで確認する — 解いたあと必ずスクリプトを開いて「なぜ聞き取れなかったか」の原因を調べる
  3. シャドーイングを毎日10〜15分続ける — 声に出すことで「音を意味に変換する速さ」が鍛えられる。聞き流しではなく声を出す

この3つは地味に見えて、やり続けると確実に積み上がります。「1回しか流れない」という条件は変わりませんが、それを前提にした練習設計で結果は変わります。

よくある質問

英検2級のリスニングは放送が何回?
2級は全問1回だけです(準2級も1回。2回読まれるのは3級の第2部・第3部まで)。「1回で取りきる」前提の練習が必要になります。
聞き流しているのに点が伸びないのはなぜ?
聞き流しは「音が耳に入る」練習にしかならないからです。スクリプトで「なぜ聞き取れなかったか」を確認し、シャドーイングで「音を意味に変える速さ」を鍛えると伸びます。
「先読み」って何をするの?
放送が始まる前に選択肢をざっと読み、「何を聞き取ればいいか」を1つに絞ることです。選択肢の形を見るだけで、問われる内容が予想できます。
リスニングは何問取れれば安心?
各技能に最低点はなく合計1,520点で合格しますが、30問のうち6〜7割(18〜21問)を安定させるのが現実的な目標です。