合格戦略

【英検2級】解く順番|ライティングを先に解くと安定する理由と時間配分

公開 2026.7.17

本番の会場で、まず何から手をつけるか決めていますか。大問1の語彙問題から順番どおりに解き始めて、気づいたらライティングに残り10分しかなかった——これは英検2級で一番よくある時間切れのパターンです。この記事を読み終えれば、当日どの順で解き、どこに何分使うかが1つに決まります。

まず結論 ── 先に「書く」、あとから「読む」

英ピタが推す解く順番は、ライティング(要約→意見論述)を最初に解き、そのあとに大問3→大問2→大問1の順で読解・語彙を進める、という並びです。理由は単純で、ライティングは時間切れになったときの失点が一番重いからです(詳しくは後述)。

順番セクション時間の目安
1要約約15分
2意見論述約20分
3大問3(長文内容一致・8問)約25分
4大問2(長文空所補充・6問)約15分
5大問1(語彙・17問)約10分
合計85分

英検2級で英ピタが推す解く順番と時間配分の図解。1番目=要約15分、2番目=意見論述20分(この2つがライティング=先に確保する)、3番目=大問3の長文内容一致25分、4番目=大問2の長文空所補充15分、5番目=大問1の語彙10分。合計85分。ライティングを先に解き、あとから読解に進む

この配分は「英ピタが推す配分」であって、英検協会が公式にセクションごとの時間を割り振っているわけではありません(リーディングとライティングは、合わせて85分という1つの枠だけが決まっています)。大問1〜3と要約・意見論述を、どの順で・何分ずつ解くかは受験者の自由です。だからこそ「順番」という工夫の余地があります。

なお、この表には見直し専用の時間を独立して設けていません。マークミスの確認は各パートの目安時間の中に含めて考えてください(大問1〜3は解きながらその都度マーク欄を確認、要約・意見論述は書き終えた直後にその場で読み返す)。もし手元に余裕を残したいなら、大問1を8分で切り上げる練習をするなど、自分の得意なパートを削って数分の余白を作ってください(次の「自分に合う配分を見つける練習法」で調整の仕方を扱います)。

リスニングはこの85分とは別枠で、試験の基本構造から先に整理します。

試験の基本構造 ── 筆記85分・リスニング約25分

英検2級の一次試験は、次の2つのブロックでできています。

  • 筆記(リーディング+ライティング)= 85分。大問1〜3(リーディング31問)と、要約・意見論述(ライティング)が、この1つの85分枠に入っています。どちらから解くかは自由です。
  • リスニング = 約25分。筆記が終わったあとに続けて行われ、全問1回しか放送されません

技能ごとの満点は、リーディング・リスニング・ライティングいずれもCSE(英検独自のスコア)650点ずつで並んでいます。ただし素点(実際に取れる点数)の満点はそれぞれ違います。

技能素点満点CSE満点
リーディング31問650点
リスニング30問650点
ライティング32点(要約16+意見論述16)650点

ここで効いてくるのは、点数の大きさではなく**「その650点が、何個に分かれているか」**です。リーディングの650点は31問に、リスニングの650点は30問に分かれています。1問落としても、失うのは全体のごく一部です。それに対してライティングの650点は、要約と意見論述のたった2本の答案で決まります。 1本が書ききれずに終わると、失う塊がそれだけ大きい。この配点の性質が、次の「なぜライティングを先に解くべきか」の土台になります。

合格ラインの読み方(1,520点・各技能6割が目安)そのものは、「英検2級の合格点は何割?」で詳しく整理しています。

【最重要】なぜライティングを先に解くべきか

順番を決めるときにいちばん大事なのは、「時間が足りなくなったとき、何が一番失うものが大きいか」です。

  • 大問1〜3(マークシート)は、時間が足りなくても「塗る」ことができます。 分からなくても選択肢を1つ選べば、正解する可能性がゼロにはなりません。
  • 要約・意見論述は、時間が足りないと「書ききれない」まま終わります。 要約は45〜55語、意見論述は80〜100語という語数の目安があり、大きく足りない状態で提出すると、内容・構成の評価そのものが下がります。白紙や大幅な語数不足は、マークシートの塗り忘れよりずっと重い失点です。

つまり、「最悪でも部分点が拾える大問1〜3」を先に片づけてから残り時間でライティングを書くより、「時間切れが一番痛いライティング」を先に確保してから、残り時間で大問1〜3を解くほうが、安定して点を残せます。ライティングを最後に回して時間切れになるのは、英検2級でもっとも多い失敗パターンです。

なお、要約(15分)より意見論述(20分)のほうが時間の目安が長いのは、意見論述のほうが指定語数が多い(80〜100語 対 要約45〜55語)ためです。目安どおりに書き終えられれば、ライティング32点満点の可能性を、書ききれずに失うことなく最後まで使い切ったことになります(点数そのものは採点基準次第ですが、「白紙・大幅な語数不足で失点する」という最悪のケースは避けられます)。ここまでを終えてから読解に進むと、残り時間を全部「マークシートで拾える問題」に使えます。

要約・意見論述それぞれの型(何をどの順に書くか)は、この記事では扱いません。公式の模範解答に沿った書き方は「英検2級 要約の書き方」「英検2級 意見論述の書き方」に整理してあります。

大問1は「分からなければ切り上げる」を徹底する

大問1(語彙問題)は17問で、内訳は単語10問・熟語7問です。2024年のリニューアルで文法問題はなくなり、いまは文法問題は0問です。英ピタで2024年度第1回から2025年度第3回までの実施6回・102問を数えたところ、この「単語10問+熟語7問+文法0問」という内訳は6回とも1問もブレずに一定でした(公式の発表は「3問削除(文法問題など)」までで、内訳までは示されていません。実測の詳細は「英検2級の難易度は上がった?」)。だから大問1は、「今回はたまたま単語が多かった/少なかった」と迷う必要がなく、毎回同じ配分で来るという前提で切り上げのルールを決めておけるわけです。

大問1を最後に回すのには、もう1つ理由があります。大問1は「知っているか知らないか」で決まる問題が多く、粘っても正答率が上がりにくいからです。長文(大問2・大問3)は文脈から推測できる余地がありますが、単語・熟語の意味はその場で考えても出てこないことが多いものです。

だから大問1では、1問あたり30秒〜1分考えて分からなければ、いったんマークして次に進むというルールを決めておいてください。目安は合計10分です。粘って5分使っても分からない単語は、たいてい10分経っても分かりません。その5分があれば、大問2や大問3の1問を丁寧に読み直せます。

熟語(句動詞)そのものの覚え方は「英検2級の句動詞」に、実際に出た熟語の一覧は「英検2級 熟語一覧」にまとめてあります。

タイプ別の分岐 ── 読解が得意な人はどうする

ここまでの順番は「多くの受験生に合う基本形」です。ただし、当日その場の解答順には、条件付きで例外を認めてもいい場合があります。

  • ライティングに不安がある人(多数派) ── 基本どおり、最初にライティングから解いてください。書くこと自体に時間がかかるタイプほど、先に時間を確保する効果が大きくなります。
  • 読解が得意で、長文を読むスピードに自信がある人 ── 大問3の目安25分のうち、最初の5分程度だけ使って1問分を先に解き、ウォームアップしてから要約・意見論述に入る、という順番も選択肢になります(大問3の残り20分は、ライティングを終えたあとに続けて解きます)。ただしこの場合も、ライティングの時間(35分)を天引きしてから残りを読解に使うという原則だけは崩さないでください。「時間が余ったらライティングに回す」という考え方に戻ってしまうと、この記事の結論が意味を持たなくなります。

なお、これはあくまで「当日、その場でどの順に解くか」の話です。複数回受験していて、そもそもどの技能を伸ばすべきかという学習全体の配分を見直したい場合は、何度も受からない原因を4つのループに分解した記事で、技能別の戦略を整理しています。

リスニング開始前 ── 席を離れず、可能なら選択肢に目を通す

筆記(85分)が終わると、そのまま続けてリスニング(約25分)に入ります。リスニングはPart 1・Part 2それぞれ15問ずつで、全問1回しか放送されません。聞き逃したら後から聞き直すことはできないので、事前の準備が読解以上に効きます。

筆記が終わっても、リスニングの放送が始まるまでは席を離れないでください(公式ルール)。そのあいだは係員の指示に従いながら、可能であれば次に来る問題の選択肢に軽く目を通しておくと、「何を聞き取ればいいか」の見当がついた状態で音声に入れます。聞きながら初めて選択肢を読むより、落ち着いて臨めるはずです(具体的な進行やタイミングは会場の指示に従ってください)。

リスニングそのものの勉強法(先読み・シャドーイング)は「英検2級 リスニングのコツ」へ。

S-CBTでも同じ発想が使える ── 固定されているのは「提示順」だけ

ここまでの「解く順番を選べる」という前提は、紙の試験(従来型・本会場)の話です。パソコンで受ける英検S-CBTでは、少し勝手が違います。

英検協会の公式ページには、S-CBTの試験進行が次の順で番号付きで示されています。

  1. スピーキング
  2. リスニング
  3. リーディング
  4. ライティング

画面に表示される順序はこのとおり固定されていて、リーディングを見てからでないとライティングには進めません。ただし、リーディングとライティングは、従来型と同じく1つの85分を共有しています。公式の試験時間の内訳表でも「リーディング・ライティング=85分」とまとめて示されており(個別の分数の明記はありません)、試験画面の右上にもリーディングとライティングで共通の残り時間が表示されます。つまりS-CBTで固定されているのは「先にリーディングの画面を見て、そのあとライティングの画面に進む」という提示順だけで、リーディングだけの制限時間・ライティングだけの制限時間が別々に用意されているわけではありません。

だからこそ、この記事の考え方(=ライティングは時間切れが一番痛い技能である)は、S-CBTでも生きています。リーディングを手早く終えるほど、その分だけライティングに使える時間が増える、というシンプルな関係だからです。S-CBTでは、次の2点を意識してください。

  • リーディングの画面では、大問1を先に切り上げるルール(10分目安)を守り、大問2・大問3も手早く進める。 ここで浮いた時間が、そのままライティングの持ち時間になります。
  • ライティングの画面に入ったら、要約(語数が短い)から先に書き切る。 意見論述より先に要約を終わらせておけば、万が一時間が足りなくなっても、失点は片方だけに抑えられます。

英検2級の従来型とS-CBTの違いの図解。従来型は「リーディングとライティングが1つの85分を共有し自由に行き来できる」箱と、別枠のリスニング約25分。S-CBTはスピーキング15分→リスニング25分→リーディング・ライティング85分の順に固定され、リーディングとライティングは同じ85分を共有する(提示順は固定だが、リーディングを速く終えるほどライティングの持ち時間が増える)

なお、S-CBTで気になるのは時間配分だけではないはずです。画面上の英文に線が引けるのか、周りの人のタイピング音や話し声はどうなのか、「次へ」を押し間違えたらどうなるのか——といった操作・環境の不安は、「英検S-CBTの不安を公式資料で確認する」で、公式サイトと受験規約の原文だけを根拠に1つずつ確定させています。

自分に合う配分を見つける練習法

ここまでの時間配分(15分・20分・25分・15分・10分)は、あくまで目安です。人によって「大問3を読むのに30分かかる」「意見論述は15分で書ける」など、得意不得意で差が出ます。

自分に合った配分を見つける方法は1つだけです。過去問や本番形式の問題を解くとき、区切りごとにタイマーで実際にかかった時間を計り、記録すること。 「大問1=10分の予定が15分かかっていた」と分かれば、次からは大問1を8分で切り上げる練習をする、というように調整できます。感覚だけで「時間が足りない気がする」のままにせず、実際の数字で自分の配分を作るのが一番の近道です。

英ピタの長文読解は、タイマー付きの本番形式(Stage2)で練習できます。区切りごとの所要時間を意識しながら解く習慣を、本番より先に作っておいてください。解いたあとのやり直し方は「英検2級 過去問のやり直し」に、直前期の絞り方は「英検2級の直前対策」にまとめています。

まとめ

  1. 筆記は85分でリーディング・ライティングをまとめてこなす。どちらから解くかは自由、リスニングは別枠で約25分(全問1回放送)
  2. 英ピタが推す順番は「要約(15分)→意見論述(20分)→大問3(25分)→大問2(15分)→大問1(10分)」。ライティングを先に確保するのが核心
  3. 理由は、時間切れになったときの失点の重さが違うから。マークシートは塗れるが、書ききれないライティングは大きく失点する
  4. 大問1(単語10問+熟語7問・文法0問=実施6回とも一定)は「分からなければ切り上げる」を10分の目安で徹底する
  5. 読解が得意な人は、大問3の最初の5分だけ使って1問先に解きウォームアップしてもよいが、ライティングの時間を天引きする原則は崩さない
  6. リスニング開始前は席を離れず待ち、可能であれば選択肢に目を通しておく
  7. S-CBTは画面の提示順が固定(スピーキング→リスニング→リーディング→ライティング)。ただしリーディングとライティングは同じ85分を共有するので、リーディングを手早く終えてライティングの時間を確保し、要約から先に書き切る
  8. 自分に合う配分は、タイマーで実際の所要時間を計って作る

解く順番を変えるだけなら、今日から実践できます。まずは次に過去問や模試を解くとき、この記事の順番どおりに試してみてください。

よくある質問

Q英検2級はリーディングとライティング、どちらから解くべきですか?
Aライティング(要約→意見論述)から解くことをおすすめします。時間が足りなくなったとき、大問1〜3はマークシートなので選択肢を塗ることができますが、ライティングは書ききれないまま提出すると語数不足でより大きく失点します。失点が重いほうを先に確保するのが安定する考え方です。
Q英検2級の大問1は何分で切り上げるべきですか?
A目安は合計10分です。大問1(語彙17問)は知識問題が多く、粘っても正答率が上がりにくいので、1問30秒〜1分考えて分からなければマークして次に進んでください。その分の時間を、文脈から推測できる大問2・大問3に回すほうが得点効率が良くなります。
Q英検2級の時間配分の目安を教えてください。
A英ピタが推す配分は、要約15分・意見論述20分・大問3(長文内容一致)25分・大問2(長文空所補充)15分・大問1(語彙)10分の合計85分です。これは英検協会が定めた固定の時間割ではなく、時間切れのリスクが一番重いライティングを先に確保するための推奨配分です。
Q英検S-CBTでも同じ順番で解けますか?
A画面の提示順(スピーキング→リスニング→リーディング→ライティング)は固定されており、リーディングを見てからでないとライティングには進めません。ただしリーディングとライティングは従来型と同じ85分を共有しているので、「リーディングを速く終えるほどライティングの時間が増える」という関係は同じです。大問1を先に切り上げてリーディングの時間を浮かせ、ライティングでは要約から先に書き切る、という形で同じ考え方を活かしてください。