合格戦略

英検2級の難易度は上がった?2024年リニューアルで「本当に変わったこと」を数えて検証

公開 2026.7.14

「英検2級、難易度が上がったって聞いたけど本当?」「前より難しくなった気がする。自分がおかしいの?」。検索でここに来た人は、だいたいこの2つのどちらかだと思います。

先に結論を言います。

英検2級の「合格の基準」そのものは、2024年のリニューアルで変わっていません。 英検協会は、リニューアルの発表のなかで「合格基準スコア、CEFR算出範囲の変更はございません」と明記しています。

ただし、2024年度から「何を問うか」の中身は確かに変わりました。 選んで答える問題が減り、ライティングで「書く」問題が1題から2題に増えました。この変化に対応できていないと、「なんか難しくなった」と感じやすくなります。難易度の”量”が上がったのではなく、“種類”が変わった、というのがこの記事の一番伝えたいことです。

さらに、「今回の回を受けたら難しく感じた。落ちたかもしれない」と思っている人には、もう1つ知っておいてほしい公式の説明があります。英検協会は、**「同じ正答数であっても回次によりスコアは異なります」**と明記しています(スコアは統計的手法=IRTで算出されるため、正答数からは計算できません)。ですから「たまたま難しい回に当たったから即アウト」とは言い切れません。だからといって「難しくても大丈夫」と保証するものでもありません。詳しくは後半で正確に説明します。

結論:3つに分けて整理すると分かりやすい

「難易度が上がったか」という問いは、実は3つの別の質問が混ざっています。混ぜたまま考えると、ずっとモヤモヤします。

英検2級の「難易度が上がった?」を3つの質問に分けた図。1. 合格ラインや級のレベルは上がった?→変わらず(公式に「変更なし」と明記)。2. 問題の中身は変わった?→変わった(リーディング38→31問・ライティング1題→2題)。3. 今回の回、難しく感じた→それだけでは分からない(同じ正答数でも回次によりスコアは異なる)

質問答え
① 合格ラインや級のレベルは上がった?上がっていません。 合格基準スコア・CEFR算出範囲は2024年リニューアルで「変更なし」と公式に明記
② 出題される問題の中身は変わった?変わりました。 2024年度から、選んで答える問題が減り、要約という新しい形式のライティングが増えた
③ 今回の回、難しく感じた。落ちる?それだけでは分かりません。 公式は「同じ正答数であっても回次によりスコアは異なる」と説明しています

以下、順番に見ていきます。

2024年リニューアルで実際に何が変わったのか

英検は2024年度第1回から、問題形式の一部を変更しました。2級について、英検協会の公式リニューアルサイトに載っている変更点は次のとおりです。

セクション変更前変更後内容
リーディング大問1(短文の語句空所補充)20問17問3問削除(文法問題など)
リーディング大問3(長文の内容一致選択)12問8問大問3Bから4問削除(設問No.30-33)
リーディング合計38問31問上記の削減分
ライティング意見論述1題意見論述+要約の2題「要約」問題が新規出題
リスニング変更なし変更なし問題形式・問題数とも変更なし
二次試験(面接)変更なし変更なし構成・時間とも変更なし
合格基準スコア・CEFR算出範囲変更なし変更なし協会が明記

出典:英検協会 2024年度問題形式リニューアルサイト

2024年リニューアルで変わったもの/変わらないものの対比図。変わった=大問1が20→17問、リーディング合計が38→31問、ライティングが1題→2題(要約が新設)。変わらない=リスニング、二次試験(面接)、合格基準スコア(1520点)、CEFRの位置づけ

ポイントは2つです。

1. リーディングは減って、ライティングは増えた。 リーディングは38問から31問に減り、そのうち大問1(短文の語句空所補充)は20問から17問になりました。一方でライティングは、これまでの「意見論述」1題に、新形式の「要約」問題が加わり、2題になりました。

2. リスニング・二次試験・合否の基準は、いっさい変わっていません。 「難しくなった」という話を聞くと、試験全体が重くなった印象を持ちがちですが、実際に変わったのは一次試験のリーディングとライティングの中身だけです。リスニングの形式(会話の内容一致15問+文の内容一致15問、全問1回放送)も、二次面接の構成も、合格に必要なスコアも、公式に「変更なし」と明記されています。

数えてみた:大問1から「文法問題」は消えていた

公式が書いているのは「3問削除(文法問題など)」までです。では、いま残っている17問は何なのか。英ピタでは、2024年度以降に実際に出題された大問1を全部数えました(以下は公式の発表ではなく、実際に出た問題を数えた英ピタの実測です)。

ここで言う「文法問題」とは、リニューアル前の大問1の末尾3問(第18〜20問)にあった、仮定法・倒置・比較のような”文法規則そのもの”を問うタイプを指します。

2024年度第1回から2025年度第3回までの6回・102問。このタイプの問題は、1問もありませんでした。 しかも内訳は6回とも1問もブレず、単語10問+熟語・定型表現7問で完全に一定です。「たまたま今回は出なかった」ではなく、枠ごと消えたと考えるのが自然です。

英検2級の大問1の中身の変化を示した図。2023年度まで=単語10問+熟語7問+文法3問(第18〜20問)の合計20問。2024年度以降=単語10問+熟語・定型表現7問+文法0問の合計17問。文法の枠がそのまま消え、内訳は実施6回とも一定

残った7問の中身は、句動詞・イディオムが中心です。そこに rather than や a number of のような語法・つなぎの表現が各回0〜2問ほど混ざります。ですから「英文法の勉強はいっさい要らない」という意味ではありません(文法は、読むため・書くために要ります)。ただし、大問1のためだけに文法問題集を回すのは、いまの2級では的外れです。

対策としてはこうなります。大問1で点を取るのは、単語と熟語(特に句動詞)。 熟語・定型表現が17問中7問=約4割を占めるので、単語だけを回して熟語を後回しにすると、大問1の4割が手つかずのまま残ります。

→ 句動詞・熟語の対策:英検2級の熟語一覧句動詞の覚え方

合格の基準そのものは変わっていない

合格に必要な点数は、CSE(英検が使う共通のスコア)で決まっています。

  • 一次試験の合格基準スコア:1,520点/1,950点満点
  • 二次試験の合格基準スコア:460点/650点満点
  • 各技能の最低点の設定はなく、合計点で判定されます
  • 公式の目安として、「各技能おおむね6割程度の正答率の受験者の多くが合格している」と説明されています(2016年度第1回のデータをもとにした表現)

この基準は、2024年のリニューアルでも変わっていません。英検協会の公式サイトには「合格基準スコア、CEFR算出範囲の変更はございません」と明記されています(=事実)。

ですから「リニューアルで、以前より高い点を取らないと受からなくなった」というのは誤解です。ゴールの位置(合格ライン)が引き上げられたわけではありません。 変わったのは、そのゴールにたどり着くまでの「問題の中身」のほうです。

なお、1520÷1950のような割り算は素点の正答率にはなりません(CSEはIRTによる換算スコアだからです)。合格点まわりの数字が記事によってバラバラな理由は、姉妹記事にまとめています。

→ 詳しくは:英検2級の合格点は何割?

級のレベルそのものも変わっていない

英検2級は、CEFR(語学力の国際的なものさし)でB1相当(高校卒業程度)と位置づけられています。1つ下の準2級はA2相当(高校中級程度)です。必要な語彙量は、大手の学習メディアの解説では約5,000〜5,100語程度が目安とされています(英検協会は必要語彙数を公表していません)。

この「級としての立ち位置」も、2024年のリニューアルで変わったわけではありません。前の項で見たとおり、CEFR算出範囲そのものは「変更なし」と公式に明記されています。つまり、2級というゴールの高さ自体が引き上げられたわけではない、ということです。

リスニング・二次試験は変わっていない

これも見落とされがちなポイントです。「英検が難しくなった」という話は、しばしば試験全体の話として広がりますが、実際にリニューアルの対象になったのはリーディングとライティングの一部だけです。

  • リスニングは、問題数・形式とも変更なし(全問1回放送・会話の内容一致15問+文の内容一致15問)
  • 二次試験(面接)も、構成・時間とも変更なし

苦手意識がリスニングや二次試験にある人は、そこは「以前と同じ土俵」だと考えて対策できます。

リスニングのコツ二次試験(面接)の対策

体感の「難しさ」の正体:量ではなく種類が変わった

ここからは、実際に対策してきた立場からの見立てです(公式に明言されているわけではなく、リニューアルの中身から読み取った解釈として読んでください)。

「難しくなった」と感じる正体は、問題の難易度そのものが上がったというより、求められる力の種類が変わったことにあると考えています。3つに分けられます。

1. 要約という新形式に、単純に慣れていない。 要約問題は2024年度から新設された問題です。150語程度のパッセージを45〜55語にまとめる、という形式そのものを知らないまま試験に臨むと、時間配分も書き方も分からず、実力以前のところでつまずきます。

2. ライティングが2題になり、時間配分が圧迫される。 これまで意見論述1題に配分できた時間を、要約と意見論述の2題に分け直す必要があります。一次試験(筆記)の時間の枠組み自体は変わっていないため、どちらから解くか・何分ずつ使うかを決めておかないと、時間切れになりやすくなりました。

3. 「覚えれば解ける」問題の”数”が減り、「自分で書く」課題が1つ増えた。 リーディングは38問から31問に減りました。つまり、単語・熟語・読解のように「知識と読む力で答えを選ぶ」問題は、7問ぶん減っています。その一方で、ライティングには要約という暗記では埋められない課題が新しく1つ増えました。覚えた量をそのまま得点に変えられる場面が減り、覚えたものを使って自分で英文を組み立てる場面が増えた、ということです。

※ 誤解しやすいので補足します。これは「配点がライティングに移った」という意味ではありません。英検のCSEスコアは、問題数に関係なく各技能に均等に配分されると公式に説明されています(2級はリーディング650点・ライティング650点・リスニング650点)。リーディングの問題数が減っても、リーディングの650点が減るわけではありません。むしろ1問あたりの重みが増したと考えるほうが実態に近いです。変わったのは配点ではなく、問われ方です。

つまり、以前の英検2級対策(単語帳と文法問題集を繰り返す)をそのまま続けていると、「量は同じはずなのに、なぜか歯が立たない」という感覚になりやすい構造になっています。これが「難易度が上がった」という体感の、かなりの部分を説明していると考えられます。

「今回の回、難しく感じた」だけで、落ちると決めつけなくていい

もう1つ、検索で多いのが「今回受けた回が難しかった。これは不合格ということ?」という不安です。

ここは公式の説明をそのまま見るのが一番はっきりします。英検協会は、CSEスコアについてこう書いています。

  • スコアは各回の全答案採点後、統計的手法(Item Response Theory)を用いて算出しており、受験者が自分の正答数からスコアを計算することはできない
  • 各級の合格基準スコアは固定されている
  • 同じ正答数であっても、回次によりスコアは異なる

3つめが、この不安への直接の答えです(ここまでが公式の説明)。同じ正答数でも、回によってスコアは違う。 だから「今回はいつもより難しく感じた」という体感が、そのまま不合格を意味するとは限りません。回ごとの問題の難しさの差は、スコアを出す段階で織り込まれると読める書き方です。

※ ただし「難しい回はこれだけ有利になる」といった換算表は公表されていません。ここから先を具体的な数字で語る人がいたら、それは推測です。

そして、これは**「難しい回だったから大丈夫」という保証でもありません**。回ごとの差が織り込まれるだけで、解けなかった問題が解けたことになるわけではないからです。言えるのは、「難しく感じた=即不合格」と決めつける必要はない、というところまでです。

では、何で判断すればいいのか。 公式が言うとおり、正答数から自分のスコアを計算することはできません。だから素点は「合否の予言」には使えません。使えるのは「次に何をやるか」を決める材料としてです。 体感ではなく、次の3つで見ます。

  1. 自己採点の素点(技能ごとに、何問中何問取れたか)。公式の目安は「各技能おおむね6割程度の正答率の受験者の多くが合格」(2016年度第1回のデータをもとにした表現。正答数の目安そのものは公表されていません)
  2. 過去の演習との比較(いつもの自分より取れているか。同じ回を受けた人と比べるのではなく、自分の平常運転と比べる)
  3. どの技能で落としたか(全体の手応えより、技能ごとの落とし方のほうが次の一手に直結します)

「難しかった」という感覚は、たいていいちばん時間が足りなかった技能の印象に引っぱられます。技能ごとにばらして見ると、そこまで崩れていないことも多いです。

出典:英検協会 英検CSEスコアでの合否判定方法について

なお、合格率は2016年度を最後に公式には発表されていません(ネット上の「25%」「34%」といった数字は推定値か、古い年度のものです)。数字の読み方は姉妹記事にまとめています。

英検2級の合格率は何%?

変わった種類に合わせて、対策を変える

「難しくなった」と嘆いていても、試験の中身は変わりません。ここまで見てきたとおり、変わったのは「何を、どう問われるか」です。そこに合わせて、対策の中身を変えるのが一番の近道です。

  • 要約という新形式に、まず慣れる。 型(導入→利点→However+欠点)を覚えれば、初見のパッセージでも安定して書けるようになります
  • ライティング2題の時間配分を、事前に決めておく。 本番で迷わないよう、要約と意見論述それぞれに何分使うかを練習の段階で固定しておきます
  • 大問1の対策は、文法問題集ではなく単語・熟語に振る。 いまの大問1は単語10問+熟語・定型表現7問。仮定法・倒置・比較のような”文法規則そのもの”を問う問題は、2024〜2025年度の6回で0問でした
  • 単語の暗記だけで止めず、「書く」練習を必ず入れる。 覚えた語を使って自分で英文を組み立てる場面(要約・意見論述)が、リニューアルで1題ぶん増えました

要約と意見論述、それぞれの書き方は別記事に詳しくまとめています。

要約問題の書き方意見論述(英作文)の書き方試験直前の人はこちら

まとめ

  1. 合格の基準(スコア・級のレベル)は、2024年のリニューアルで変わっていない:一次1,520点/1,950点・二次460点/650点・CEFRのB1相当という位置づけは、いずれも「変更なし」と公式に明記
  2. 問題の中身は確かに変わった:リーディング大問1が20問→17問、リーディング合計38問→31問、ライティングが意見論述1題→要約+意見論述の2題に
  3. 数えてみたら、大問1の「文法規則そのものを問う問題」は0問:2024年度以降の実施6回・102問で、内訳は毎回 単語10問+熟語・定型表現7問で一定(英ピタの実測)
  4. リスニング・二次試験は変更なし:変わったのはリーディングとライティングの一部だけ
  5. 体感の難しさの正体は「量」でなく「種類」の変化:新形式(要約)への不慣れ・ライティング2題の時間配分・「覚えれば解ける問題」が減って「自分で書く課題」が増えたこと。※配点が動いたわけではありません(CSEは技能ごとに均等配分)
  6. 「今回の回が難しく感じた」だけで即不合格とは決めつけられない:公式は「同じ正答数であっても回次によりスコアは異なる」と説明しています(ただし保証ではありません)

「難易度が上がった」という漠然とした不安のままにせず、何が変わって、何が変わっていないかを分けて考えれば、次にやることははっきりします。

よくある質問

Q英検2級は2024年のリニューアルで難しくなったのですか?
A合格の基準は難しくなっていません。英検協会はリニューアルの発表で「合格基準スコア、CEFR算出範囲の変更はございません」と明記しています。変わったのは問題の中身です。リーディングが38問から31問に減り、ライティングが「意見論述」1題から「要約+意見論述」の2題に増えました。難易度の量が上がったというより、求められる力の種類が変わった、と考えるほうが実態に合っています。
Q2024年のリニューアルで、英検2級の何が変わったのですか?
A公式の発表によると、リーディングは大問1が20問→17問(3問削除・文法問題など)、大問3が12問→8問(大問3Bから4問削除)で、合計38問→31問。ライティングは「意見論述」1題に「要約」問題が加わって2題になりました。リスニング・二次試験(面接)・合格基準スコア・CEFR算出範囲は「変更なし」です。
Q英検2級の大問1に、文法問題はまだ出ますか?
A英ピタで2024年度第1回から2025年度第3回までの実施6回・102問を数えたところ、仮定法・倒置・比較のような「文法規則そのものを問う問題」(リニューアル前の第18〜20問にあったタイプ)は1問もありませんでした。内訳は6回とも単語10問+熟語・定型表現7問で一定です。※これは公式の発表ではなく、実際に出た問題を数えた英ピタの実測です。大問1のためだけに文法問題集を回すのは効率が悪く、単語と熟語(句動詞)に振るほうが得点に直結します。
Q受けた回が難しかったら、不合格ということですか?
Aそれだけでは分かりません。英検協会は「同じ正答数であっても回次によりスコアは異なります」「各級の合格基準スコアは固定されています」と説明しており、スコアは統計的手法(IRT)で算出されるため、自分の正答数からスコアを計算することはできません。つまり「難しく感じた=即不合格」と決めつける必要はありません。ただし「難しい回だったから大丈夫」という保証でもありません。
Q英検2級の合格ラインは上がりましたか?
A上がっていません。一次は1,520点/1,950点満点、二次は460点/650点満点で、2024年のリニューアルでも「変更なし」と公式に明記されています。なお、これはCSEスコア(IRTによる換算点)なので、1520÷1950の割り算は素点の正答率にはなりません。公式の目安は「各技能おおむね6割程度の正答率の受験者の多くが合格」(2016年度第1回のデータをもとにした表現)です。
Q難しくなったなら、勉強法はどう変えればいいですか?
A変わった部分に合わせるのが近道です。(1)要約の型(導入→利点→However+欠点)に慣れる、(2)ライティング2題の時間配分を練習の段階で決めておく、(3)大問1の対策は文法問題集ではなく単語・熟語に振る、(4)単語の暗記で止めず「自分で書く」練習を必ず入れる。リスニングと二次試験は形式が変わっていないので、これまでどおりの対策で問題ありません。