合格戦略

英検2級の合格率は何%?「25%」「34%」がバラバラな理由と、正しい読み方

公開 2026.7.7

「英検2級の合格率は?」で検索すると、「全体で約25%」「高校生は34%」「二次は約80%」、ときには合格”点”の数字である「一次は約82%」まで混ざって出てきます。結局どれが本当なのか、自分は受かるほうなのか、これでは分からなくなってしまいます。

結論から言うと、英検協会は2016年度を最後に、級ごとの合格率を公式には発表していません。 ネットに出回っている数字は、すべて「2016年の公式データ」か「学習メディア・塾による推計」のどちらかです。しかもその2016年のデータ自体、「高校生」の数字と「全体(高校生を含む全受験者)」の数字が混ざっているという、意外と見落とされているポイントがあります。

この記事では、公式に発表された最後の数字を出典つきでそのまま示したうえで、なぜ「25%」「34%」とサイトによって数字が違うのか、その正体を1つずつ種明かしします。そのうえで、合格率という”他人の集計”に振り回されず、自分の合否をどう測ればいいかまで、10歳でも分かるように説明します。読み終えたら、ネットの合格率の数字を見ても不安にならなくなります。

結論:英検協会は2016年度が最後、公式に分かっている数字はこれだけ

先に、公式資料で確認できる数字だけを出します。

試験合格率母集団・年度
一次試験(RLW技能)34.0%(前年度同回は27.0%)高校生・2016年度第1回検定
二次試験(S技能)80.4%(前年度同回は83.9%)全体(高校生分は解析中のため速報値)・2016年度第1回検定

出典:英検協会 2016年7月29日発表資料(PDF)「高校生 1級・準1級・2級の受験者数、および合格率」

英検協会は、この発表を最後に、級ごとの合格率を公式には公表していません(2026年7月時点)。ネットで見かける「25%」「34%」「約80%」といった数字は、すべてこの2016年のデータそのものか、これをもとにした推計のどちらかです。

英検2級の2016年公式データは母集団が違うことを1枚で整理した図。左=一次試験(RLW技能)の合格率34.0%は「高校生」に限った2016年度第1回の数字。右=二次試験(S技能)の合格率80.4%は「全体(高校生分は解析中のため速報値)」の数字で、母集団が違う。多くのサイトが両方を高校生の数字として紹介しているが、二次80.4%は公式資料の注記どおり全体の速報値

いつの・誰の数字か——「二次80.4%」は実は高校生の数字ではない

多くのサイトが「高校生の一次合格率34.0%・二次合格率80.4%」という形で、2つの数字をセットで紹介しています。ところが、英検協会の発表資料を実際に読むと、この書き方には見落とされているポイントがあります。

発表資料の二次試験(S技能)の項目には、次のような注記が入っています。

「本来であれば高校生の合格率を掲示するところであるが、解析中であり、全体での合格率を速報値として記載」

つまり、80.4%という数字は「高校生」ではなく「高校生を含む全受験者(全体)」の速報値です。一次試験の34.0%は確かに高校生限定の数字ですが、二次試験の80.4%は母集団が違います。この違いに触れずに、2つの数字をどちらも「高校生のデータ」として並べている記事が少なくありません。

正確に整理すると、こうなります。

数字何の数字か母集団
34.0%一次試験(RLW技能)の合格率高校生(2016年度第1回)
80.4%二次試験(S技能)の合格率全体(高校生分は解析中のため速報値・2016年度第1回)

この違いは、あなたの合否判断そのものに影響するものではありません(二次試験の合格率が高めに出やすいこと自体は、後で説明するとおり方向性としては変わりません)。ただ、「ネットの数字がどこまで元データを正確に引いているか」を確かめる、ちょっとした目安にはなります。

もう1つの数字:「全体で約25%」の出典

もう1つ、「全体で約25%」という数字もよく見かけます。これは今見た2016年の発表資料とは別に、2015年度以前の公開データや、複数の学習メディア・塾サイトによる推計に基づくものとみられ、英検協会が現在の合格率として公式に発表しているものではありません。引用元によって「20%台後半」〜「25%程度」など幅があり、単一の確定値ではないため、本記事では「メディア・塾の推計値」として扱います。

一部の学習サイトは、全体の合格率を「合格者数 ÷ 志願者数(申込者数)」で計算していると説明しています。この計算方法だと、申し込んだけれど当日欠席した人や、記念受験に近い形で申し込んだ人も分母に含まれるため、実際に本気で受験した人だけで見る場合より、数字が低めに出やすいと考えられます。これが、対策をして臨む高校生の34.0%と、全体の推計約25%の間に差が生まれる一因とみられます(英検協会が公式にこの計算式を採用していると断定するものではありません)。

「合格率」と「合格点」は別物——混同注意

検索結果でもう1つよく混同されているのが、「合格率」と「合格点」です。似た言葉ですが、まったく別のことを指しています。

  • 合格率 = 受験者のうち何%が受かったか(英検協会は2016年度以降、公式には発表していません)
  • 合格点 = 何点取れば合格になるかという基準(こちらは公式にはっきり示されています:一次1,520点/1,950点満点、二次460点/650点満点)

「一次試験は約82%」という表現を見かけることがありますが、これは合格率ではなく、**“合格点の割合”**です。合格点(1,520点)を満点(1,950点)で割ると1,520÷1,950=約78%になり、これをさらに大きく丸めて「約82%」「約8割」と書いているサイトがあるためです(この割合自体も、そのまま「問題の8割正解が必要」という意味ではありません。詳しくは後述の姉妹記事へ)。合格率(何%が受かるか)と合格点の割合(何点取れば受かるか)を並べて書きながら区別していない記事があるため、「82%」が独り歩きして「合格率82%」のように誤解されることがあります。

合格点の詳しい数字や、なぜ「82%」という言い方がそのままでは正確でないのかは、姉妹記事にまとめています。

→ 詳しくは:英検2級の合格点は何割?「82%」「8割」「6割」がバラバラな理由

難易度感:準2級・他の級と比べると

英検2級は、CEFR(語学力の国際的なものさし)で**B1相当(高校卒業程度)**とされています。1つ下の準2級はA2相当(高校中級程度)、その下の3級はA1相当(中学卒業程度)です。段階を1つ上がるごとに、求められる語彙・文法・読解の量が広がります。

参考までに、同じ2016年度第1回のデータでは、高校生の一次合格率は準1級18.0%・1級44.0%でした(前年度同回はそれぞれ15.0%・23.0%)。数字だけ見ると1級のほうが高く見えますが、これは高校生の中でもごく一部の上位層しか1級に挑戦しないための「選ばれた母集団」の効果であって、「1級のほうが2級より簡単」という意味ではありません。合格率の数字を級同士でそのまま比較すると、こうした母集団の違いに足をすくわれます。

2級は「対策すれば十分に届くが、何もしなくても受かるレベルではない」というのが、多くの受験生にとって現実的な難易度感です。

→ 「2024年のリニューアルで難しくなったのでは?」という不安には、別記事で答えています:英検2級の難易度は上がった?(合格ラインとCEFRの位置づけは公式に「変更なし」。変わったのは問題の中身で、大問1から文法問題は消えました)

二次試験(面接)の合格率は約80%——一次が本丸

先ほどの表のとおり、二次試験(面接)の合格率は2016年度の速報値で80.4%でした。母集団の注記はありますが、複数の学習塾・メディアも「二次は比較的高い割合で通過する」という体感値を報告しており、方向性としては大きくずれていないと見られます。

つまり、一次試験を突破できる実力があれば、二次(面接)はそこまで大きな壁になりにくいということです。二次特有の対策(音読・No.1〜No.4の受け答え)はもちろん必要ですが、勉強の配分としては、一次試験の対策に重点を置くのが理にかなっています

→ 二次の対策方法は:英検2級 二次試験・面接対策

→ 「二次は80%だから大丈夫」で油断すると落ちます。落ちる原因の切り分けは:英検2級の二次試験に受からない原因5つ

合格率という”他人の集計”に振り回されない

英検2級の合格率が「約25%」と「34%」でなぜ差が出るのかを対比した図。左=全体(全受験層)の約20〜25%は申込者数が母数で当日欠席や記念受験も含む学習メディアの推計値。右=高校生(対策層)の34.0%は2016年度の公式発表で本気で対策して臨む集団の数字。本気で対策して臨むなら近いのは34%側の世界

ここまで見てきた「25%」「34%」「80.4%」は、すべて過去に受験した他の誰かたちの集計です。あなた自身が今度の試験に受かるかどうかを、この集計の数字が直接動かしているわけではありません。

  • 母集団によって合格率は大きく変わります(全体・推計約20〜25% と 高校生・公式34.0%)。あなたが本気で対策して臨むつもりなら、近いのは34%側の世界です
  • そもそも合格率は「何点取れば受かるか」という合格点の基準(一次1,520点/1,950点)とは無関係です。問われているのは他の受験者の中での順位ではなく、あなた自身が1,520点に届くかどうかだけです
  • だから、合格率の数字を眺めて不安になるよりも、自分の現在地(今どのくらいの点数域にいるか)を知ることのほうが、はるかに合否に近い情報です

自分の現在地を知る一番早い方法は、本番形式の問題を実際に解いてみることです。

→ 現在地が分からず不安な人は:英検2級が受かる気がしないとき|不安の正体と、今日からやる1つのこと

→ 「受験者のうち何%が受かるか(合格率)」と、「高校生全体のうち何%が持っているか(保有率)」はまったく別の数字です。周りがどのくらい持っているかは:英検2級 高校生の保有率|文科省データで見る「本当の割合」

受かる確率を上げるには

合格率という過去の集計そのものは変えられませんが、対策の質を上げることで、自分にとっての「受かる確率」は上げられます。 具体的には次の2つが効果的です。

  1. 配点から逆算した勉強の順番を守る——技能ごとに素点満点も伸びしろも違うため、どの順番で手をつけるかで同じ勉強時間でも効率が変わります
  2. 必要な勉強時間の目安を知り、逆算して計画を立てる——闇雲に勉強量を増やすより、今の実力と試験日までの日数から逆算したほうが着実です

→ 独学で受かるための順番:英検2級は独学で受かる?配点から逆算した勉強の順番と、独学の本当の壁 → 勉強時間の目安と計画の立て方:英検2級の勉強時間は何時間?レベル別の目安と、現在地から逆算する計画の立て方

まとめ

  1. 英検協会は2016年度を最後に、級別の合格率を公式には発表していない:公式に分かっている最後の数字は、2016年度第1回・高校生の一次合格率34.0%
  2. 「二次80.4%」は実は高校生限定の数字ではない:発表資料に「全体での合格率を速報値として記載」と明記されており、母集団が一次(高校生)と異なる
  3. 「全体約25%」は学習メディア・塾による推計:公式の確定値ではなく、引用元によって幅がある
  4. 合格率(何%が受かるか)と合格点(何点取れば受かるか)は別物:合格点は一次1,520点/1,950点、二次460点/650点と公式に明確
  5. 二次(面接)は約80%で通過しやすく、一次対策が本丸
  6. 合格率は”他人の集計”、自分の合否は自分の現在地で決まる——数字に振り回されず、まず自分の実力を測ることが一番の近道

ネットの合格率の数字に一喜一憂するより、まず自分が今どのくらいの位置にいるかを知り、そこから逆算して対策するのが、一番確実な近道です。

よくある質問

Q英検2級の合格率はどのくらいですか?
A英検協会は2016年度以降、級別の合格率を公式には発表していません。公式に確認できる最後の数字は2016年度第1回検定で、高校生の一次試験合格率が34.0%でした。二次試験(面接)は80.4%という数字がよく引用されますが、これは高校生限定ではなく全受験者(全体)の速報値です。「全体で約25%」という数字も見かけますが、こちらは学習メディア・塾による推計で、公式の確定値ではありません。
Q「二次試験の合格率80.4%」は高校生の数字ではないのですか?
A正確には違います。英検協会の2016年発表資料には、二次試験の合格率について「本来であれば高校生の合格率を掲示するところであるが、解析中であり、全体での合格率を速報値として記載」と明記されています。つまり80.4%は高校生を含む全受験者の速報値で、一次試験の34.0%(こちらは高校生限定)とは母集団が異なります。
Qなぜサイトによって合格率の数字が「25%」「34%」とバラバラなのですか?
A母集団が違うためです。「34%」は2016年度の高校生限定の一次合格率、「25%前後」は全受験者を対象にした推計値です。対策をして臨む高校生と、記念受験や当日欠席も含む全体の母集団とでは、数字が変わって当然です。
Q合格率が低いと、自分は受からないということですか?
Aいいえ。合格率は過去に受験した人たち全体の集計であり、あなた個人の合否を予測するものではありません。英検2級には技能ごとの足切りもなく、対策の質と量によって「あなたにとっての受かる確率」は上げられます。
Q合格率と合格点は同じ意味ですか?
A違います。合格率は「何%の人が受かったか」という結果の集計(非公表)で、合格点は「何点取れば合格になるか」という基準(公式に一次1,520点・二次460点と明示)です。
Q二次試験(面接)は一次試験より簡単ですか?
A単純に「簡単」とは言えませんが、2016年度の速報値では二次の合格率(80.4%)は一次(高校生34.0%)より高く出ています。一次を突破できる実力があれば、二次も比較的高い割合で通過できると考えられるため、勉強の配分は一次試験の対策を優先するのが効率的です。